事件記録廃棄 最高裁の報告書公表受け、土師守さんがコメント「適切な時期に、私の見解や心境をお伝えしたい」

最高裁判所=東京都千代田区

 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件をはじめ、各地で重大少年事件の記録が永久保存とされず廃棄されていた問題で、最高裁が25日、調査報告書を公表したことを受け、神戸連続児童殺傷事件で次男の土師淳君=当時(11)=を亡くした父の守さん(67)が同日、代理人弁護士を通じてコメントを発表した。全文は以下の通り。

 

 本日、最高裁が、事件記録の保存・廃棄の在り方に関する調査報告書を公表しました。

 このたび判明した事件記録の廃棄は、いつか全ての事件記録を閲覧でき、事件の真相に近づけるかもしれないという私たち遺族の淡い期待すら奪い去るものであり、また、事件記録の公的資料としての重要性に照らしても大きな問題をはらんでいると言えます。このため私は、裁判所の杜撰な記録管理体制を強く非難するとともに、記録廃棄に至った原因や背景事情の徹底した調査及びあるべき記録の保存管理体制の検討を裁判所に求めてきました。

 今回公表された調査報告書が、これらの問題提起に十分にこたえ、被害者遺族の苦しい心情に配慮してくれていると言えるかどうか、これから報告書を読み込んで、その内容を十分に精査し、検討したいと思います。最高裁からは今回の調査報告書の内容について、直接ご説明を頂けると聞いていますので、その説明も伺った上、適切な時期に、調査報告書を受けた私の見解や心境を皆様にお伝えしたいと考えております。

 報道機関の皆様にはご理解とご了承を頂けますよう、お願い申し上げます。

令和5年5月25日 土師 守

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