核軍縮の成果が「責任」 長大レクナ G7広島ビジョンに見解

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は25日、広島市で21日閉幕した先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の核軍縮に関する広島ビジョンに対し、見解を発表した。繰り返し言及された「責任」に注目。首脳が原爆資料館訪問などを通じて「人間として実感したことを、核軍縮・不拡散政策の具体的成果に結び付けてこそ責任を果たすことになる」と強調した。
 「責任ある」(responsible)の文言はビジョンで6回使用。G7が目指す「核兵器のない世界」は「責任あるアプローチを通じて達成される」とし、核戦力データ公開など「責任ある透明性」の促進も重要だとした。
 ウクライナ侵攻を続けるロシアの核の威嚇については「無責任な核のレトリック」と批判。レクナはこれに同意する一方、核抑止論自体が「核兵器使用を示唆する脅し」が前提であり、G7を含めて「責任ある核使用や、責任を負える核使用があるとは思えない」と疑問視。核兵器を使うことなくウクライナでの戦争を終結させる決意をビジョンで示すべきだったとした。見解はレクナのホームページで公開中。

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