和紙の産地・那須烏山市で25日、高校3年生が来年(2024年)の3月に受け取る自分の卒業証書に使われる、烏山和紙の手すきを体験しました。
烏山和紙作りは、県内の県立校のうち9割以上の卒業証書の制作を請け負う福田製紙所の工房「和紙の里」で行われました。
和紙作りに挑戦したのは烏山高校3年4組の生徒41人です。地元の伝統文化への理解を深める地域学習「烏山学」の一環で、卒業証書の和紙作りは今年で5年目になります。
まず生徒らは、栃木県の伝統工芸士でもある代表の福田博子さんらから和紙について説明を受けました。
知識を深めたあとは和紙作りの本番です。
生徒たちは、和紙の材料が入った水槽から、すき桁という約3キログラムから4キログラムの道具ですくい上げたら、前後に動かし紙の形をつくる「紙漉き」という工程に1人ずつ挑戦しました。
卒業証書は、明かりに照らすと学校の校章が透けて見えるデザインで、2枚分の材料をすいて重ねることで完成します。
和紙をすく作業はやり直しがきかないため、生徒たちは緊張した面持ちで臨んでいました。
世界でたった一枚の手作りの卒業証書。
この和紙は乾燥させた後に烏山高校に届けられ、3月1日の卒業式で生徒本人へ渡される予定です。

