サミット後 メディア初公開 G7首脳たちを宮島へ クルーザー「シースピカ」の内部は…

G7広島サミットの首脳たちが宮島を訪れたのは5月19日と、ちょうど1週間前です。海を渡るときに使われたのが、クルーザー「シースピカ」です。実は、船内をサミットに合わせて改装していたのだそうです。サミット後、メディア初公開です。

末川徹 記者
「広島市南区の広島港です。団体客を乗せたクルーザーがやってきました。しばらく停泊するということなので、船内がどう変わったのか、見ていきます」

2020年に就航し、青と白を基調とした、観光型高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」です。G7首脳たちは19日、サミット主会場のある元宇品地区から “世界遺産の島”・宮島へ渡りました。

アメリカのバイデン大統領は専用ヘリの「マリーンワン」で、ほかの首脳たちはシースピカで向かったのです。巡視船に囲まれながら広島湾を進みます。

2階のデッキには、岸田総理をはじめ、各国首脳の姿がありました。笑顔で記念撮影するなど、和やかなムードに包まれていました。

瀬戸内海汽船 川渕紀和 航路事業部長
「前回(2016年)、広島での外相会合で岸田総理が外務大臣だったときに宮島まで移動した。今回も(外務省から)声がかかるのではと」

首脳たちが乗ったシースピカの内部は…

末川徹 記者
「船内は温かみのあるつくりになっています。新しく改装されたのはシートです。配色が、白からネイビーへと変わりました。背もたれの部分は “G7サミット” のロゴマークがあしらわれています。期間限定です」

「このシートは、まさに岸田総理が座っていました。隣りにはフランスのマクロン大統領がいました。2人の間でどんな会話があったのか、ワクワクしてきます」

関東からの観光客
「マクロン大統領が座っていたと聞いて、写真を撮りました」

中でもサミットの「会合」を意識して、改装したというのは…

末川徹 記者
「もともと、1人掛けのいすが4つ並べてありました。長いソファに生まれ変わりました。家族や友人とテーブルを囲んで、船旅を楽しむのもいいですね」

中央のテーブルを「円卓」に見立て、各国首脳が囲うようにしてほしいと外務省からの依頼があったようですが、それは実現しませんでした。

瀬戸内海汽船 川渕紀和 航路事業部長
「当初、(首脳は)客室でじっとしているのかなと思っていたが、デッキで風景を楽しみながら談笑していた。コロナ禍に就航した船で、かなり苦労しながら運航してきたが、”G7サミット” と大きなきっかけをもらった。海外の観光客も含め、本当にこれからが船出だと思っている」

アフターコロナを見すえた今、サミット効果で広島のさらなる魅力発信につなげていきたいとしています。

― 通常、船長1人体制だが、サミットのときは万が一のことがあったらいけないと、2人体制だったそうです。操縦した船長に直接、話をうかがうことはできませんでしたが、「いつも以上にそうとう緊張した」とまわりにもらしていたということです。

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