北陸新幹線の東京-敦賀間580km、レールつながる 福井県の芦原温泉駅で締結式、走行試験は秋ごろから予定

北陸新幹線のルート

 2024年春の開業に向けて建設が進む北陸新幹線金沢―敦賀間(約125キロ)のレール締結式が5月27日、福井県あわら市の芦原温泉駅で開かれた。駅舎内の約25メートルのレールが固定され、東京から敦賀までの約580キロが線路でつながった。秋ごろには走行試験が始まる予定。

 式典には、斉藤鉄夫国土交通相、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構の藤田耕三理事長、福井県の杉本達治知事、石川県の馳浩知事、両県選出の国会議員、沿線市町の首長ら74人が出席した。

 藤田理事長は「これまでにも増して緊張感を持って準備を進め、来年春の開業を迎えたい」とあいさつ。杉本知事は「県民挙げて歓迎ムードを盛り上げ、観光地を磨き上げ、おもてなし準備をしっかり進めていきたい」と述べた。

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 2列に並んだ関係者33人が紅白の装飾をしたレンチを使い、レールとコンクリート板を固定するボルトを締めた。テープカットやくす玉割りの後、「祝」のヘッドマークを付けた軌道モーターカーが、つながったばかりのレール約100メートルをゆっくり進むと出席者から歓声が沸き上がった。

 北陸新幹線は国が1973年に決定した整備新幹線の計画5路線(北海道、東北、北陸、九州2路線)のうちの一つで東京と大阪の約700キロを結ぶ。金沢―敦賀間は2012年6月に認可された。石川県内の5市町、福井県内の7市町を経由し、開業後は東京-福井を最速2時間53分で結ぶと想定されている。

 金沢―敦賀間の建設工事は駅舎の建築や電気工事が進み、線路や構造物を点検する「監査・検査」に着手している。今後は新幹線検測車「イーストアイ」や新幹線車両「W7系」を使用した総合監査・検査を実施。12月ごろには国交省がJR西日本に対して完成検査を行い、年明けからJR西が乗務員の習熟度を高めるため訓練運転に入る。

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