マイナカード巡るトラブル、与党からも河野デジタル相追及 自民・山田氏「いつもと違い慎重ですね」

 公金受取口座に他人名義の口座がひも付けでされるなどマイナンバーカードを巡るトラブルが相次ぐ中、自民党の山田太郎氏は29日、参院地方創生・デジタル社会形成特別委員会で、「具体策が必要だ」と河野太郎デジタル相をただした。身内による異例の追及だが「再発の防止に向け与党からもビシッと言う」と説明した。

 「カードについての重要法案の審議下に次から次へといろんな問題が起きる」と指摘。これまでも諸問題の解決策を確認してきたが、この日は国民の不安払拭に向け(1)会見などの機会に技術専門家を同席させて説明を尽くす(2)第三者諮問機関を設けて予防策を立てる─と踏み込んで提案した。

 河野氏は「国民に不安を与え大変申し訳なく思っている」と謝罪。提案については「関係府省庁一丸で対応していく」などと答えた。山田氏は答弁書に目を落としながらの河野氏の姿勢を「いつもと違い慎重ですね」と評価。「システム全体が疑われることがないようにしてほしい」とくぎを刺した。

 山田氏はデジタル化推進に起業や教育などの分野で取り組み、2019年参院選で組織支援を受けず、交流サイト(SNS)上での活動で全立候補者中3位の54万票を得て当選。首相時代の菅義偉氏(衆院神奈川2区)のデジタル戦略アドバイザー、岸田文雄首相の下でデジタル大臣政務官を務めた。

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