自公幹事長再会談は「努力しました」の儀式どまり? 選挙協力巡り諦めムード

 与党である自民と公明の選挙協力が東京都で解消されたことへの対応を巡り、両党の幹事長が30日に再会談する。岸田文雄首相の指示で事態収拾を探るが、自民都連関係者からは「公明と切れたら選挙にならない」と本音が漏れる。公明サイドは「向こうが会いたいというから会うだけ」(石井啓一幹事長)と冷めた反応。首都騒動の着地点は見えず「『努力しました』と見せる儀式どまりでは」(自民閣僚経験者)との諦めムードも漂う。

 自民関係者によると、岸田首相は26日、茂木敏充幹事長と麻生太郎副総裁、松野博一官房長官も同席して会談。この中で次期衆院選の東京28区を巡る協議で「都連が擁立を内定した」と公明へ伝えた候補を比例に回すなどの善後策が検討されたという。ただ結果として自民の比例復活当選枠を減らすこととになるので結論には至らなかったとされる。

 自民執行部が公明を突き放せないのは東京を引き金に決裂が全国に波及し四半世紀にわたり続いた自公の選挙協力が崩壊しかねないからだ。「G7広島サミット(先進国首脳会議)で内閣支持率が高まり早期解散総選挙への道が開けたのに、その切符を失ってしまう」(自民幹部)と政局への影響も懸念する。東北や北陸など地方の自民県連関係者からは「東京はさして自力がないのに公明へけんかを仕掛けている」「連立政権解消を招きかねない」などの批判や戸惑いが漏れ出している。

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