LRT8月26日開業 宇都宮市と芳賀町、近く運輸開始認可手続きへ

JR宇都宮駅東口停留場付近で行われたLRTの走行試験=2022年12月

 宇都宮市と芳賀町が進めるJR宇都宮駅東側の次世代型路面電車(LRT)で、市などが開業日を8月26日で調整していることが30日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。6月2日に記者会見を開き、日程と記念事業などを発表する。昨年11月の脱線事故に関する最終報告書についても2日に公表する。今後、運輸開始認可の手続きに入る見込み。

 開業日について佐藤栄一(さとうえいいち)市長は4月の定例記者会見で「習熟運転も予定通り進み、8月中には間違いなく運行開始ができる。大安の日を選んだ方がいい」との意向を表明。事業の進捗(しんちょく)なども勘案し、8月26日で調整している。記者会見は両市町と運行会社の宇都宮ライトレールが6月2日、駅東口の交流拠点施設「ライトキューブ宇都宮」で開く。

 昨年11月、JR宇都宮駅東口付近で試運転中のLRTが脱線する事故が発生。鉄道事故の専門家らによる有識者会議の中間報告を踏まえ、市は3月から対策工事を実施した。今月29日の最終会合後、市は「(対策を講じた)成果が出ている」としており、走行安全性に問題がないと判断したとみられる。

 市は当初、開業時期を昨年3月としていた。しかし21年1月、大規模な地盤改良工事などのため概算事業費が見込みの1.5倍となる684億円に膨らみ、開業予定を1年延期することを発表。22年6月には一部工事の遅れのため、再延期を表明していた。

 LRT整備事業は、JR宇都宮駅東口から芳賀町の芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロ。市と町が施設を整備し、第三セクターの宇都宮ライトレールが運行する。18年6月に着工し、昨年11月に試運転が始まった。

 市は駅西側の整備計画も進めており、佐藤市長は昨年8月、「2030年代前半の開業を目指す」と表明した。整備区間は駅東口停留場から駒生1丁目の県教育会館付近までの約5キロ。

© 株式会社下野新聞社