【インド】オムロンヘルスケアが初の工場、血圧計生産[製造]

オムロンヘルスケアは5月31日、インド南部タミルナド州チェンナイ近郊に血圧計工場を設置すると発表した。2025年3月から操業を開始する予定で、州政府によると投資額は12億8,000万ルピー(約21億6,000万円)。同社がインドに工場を持つのは初となる。高血圧をはじめとする生活習慣病患者が増加する一方で血圧計の普及率が低いインドで、供給体制を強化する。

同州のスターリン州首相が日本を訪問中の30日、州政府とオムロンヘルスケアが覚書を結んだ。チェンナイ近郊の工業団地「オリジンズ・マヒンドラワールドシティノースチェンナイ」内に工場を建設する。オムロンは中国やベトナムで生産した血圧計をインドで販売してきたが、需要増が見込めるインドで工場を新設して生産と販売の体制を整える。

新工場は今年8月に着工する予定で、約2万4,000平方メートルの敷地に複数階の工場を建てる。25年3月以降の3年間で約300万台の生産が目標となる。

オムロンによると、インドでは経済成長と人口増に伴い、高血圧などの生活習慣病患者が増えている。一方、インドの血圧計普及率は約2%と低く、市場が拡大する潜在性は大きい。

インドでは初めてとなる工場設置に当たり、22年7月付で新たに生産会社を設置した。社名は、オムロンヘルスケア・マニュファクチャリング・インディアで、オムロンヘルスケアの連結子会社となる。販売会社としては10年にオムロンヘルスケア・インディアを設けている。

オムロンヘルスケアは、日本(三重県松阪市)、中国(大連市)、ベトナム、ブラジル、イタリアに既存の生産拠点を持つ。

覚書を結んだオムロンヘルスケアの岡田歩社長(左から5人目)とタミルナド州のスターリン首相(左から4人目)=5月30日、東京都(オムロンヘルスケア提供)

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