下校中の女児が一時連れ去り被害 京都・城陽「こども110番のいえ」PR

「こども110番のいえ」の住民と顔合わせをする児童ら(城陽市平川)

 京都府城陽市で下校中の女児が一時連れ去りに遭った昨年の事件を受け、市教育委員会は、児童や教員に通学路にある「こども110番のいえ」の確認を促している。保護者には「ながら見守り」を呼びかけるチラシも配布しており、登下校の安全性向上につなげる。

 市内では昨年10月、当時7歳の女児が、男の車に連れ込まれる事件が発生した。

 「110番のいえ」は犯罪などから助けを求める子どもが駆け込める場所で、市内では約620カ所が登録されている。市教委はこれまでも校区ごとの安全マップで周知をしてきたが、緊急時に逃げ込みやすいようにと、本年度からは住民と児童、教員の顔つなぎをするよう促している。

 同市平川の久津川小では24日、全校児童約310人が地域別の班に分かれ、教員と一緒に通学路にある「110番のいえ」をチェックしながら下校した。校舎近くの男性(76)宅前では、児童らが元気よくあいさつし、ハイタッチしながらお互いの顔合わせをしていた。

 男性は「去年の事件には驚かされた。子どもたちの成長を見守り続けたい」と話した。同小の大槻収校長は「今後も防犯避難訓練などを行い、いざという時に備える」と語った。

 子どもが事件事故に巻き込まれるのは、下校時間帯など夕方が特に多いという。市教委と城陽署は、大人が買い物や通勤中に子どもに気を配る「ながら見守り」を勧めるチラシも作成し、保護者や自治会に配布している。

© 株式会社京都新聞社