LRTダイヤ7月公表 8月26日開業、正式発表 宇都宮、芳賀両市町など

会見でLRTの8月26日開業を発表し、右手で「L」のポーズをとる(右から)佐藤市長、大関町長、高井社長=2日午後1時10分、宇都宮市宮みらい

 宇都宮市と芳賀町が整備を進める次世代型路面電車(LRT)について、両市町などは2日、8月26日に開業すると正式に発表した。昨年11月の試運転中に脱線事故が発生したが、対策工事で全線における走行安全性を確認した。来週、運輸開始認可などを申請し、具体的な運行ダイヤは7月をめどに公表する。全線新設のLRT事業は全国で初めて。2度の開業延期など曲折を経て、新たな交通手段がいよいよ走り出す。

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 両市町と運行会社「宇都宮ライトレール」の3者が同日、合同記者会見をJR宇都宮駅東口の交流拠点施設「ライトキューブ宇都宮」で開き、開業日程などを発表した。

 開業日は夏休み中で多くの人に楽しんでもらおうと土曜に設定した。当日は開業式や発車式などを予定。今後、記念イベントを展開し、開業に向けた機運醸成を図る。

 今月5日から7月末まで、実際の営業運転に向けた反復訓練を段階的に行う習熟運転を実施する。来週中に運輸開始と運賃などに関する認可申請をそれぞれ行う。1カ月半~2カ月で認可される見込み。

 開業後一定期間は運賃収受に時間を要するとみて、全区間運行の所要時間を40分台後半と見込む。運行はピーク時に約8分間隔、オフピーク時は約12分間隔。運賃は150~400円。定期割引は通勤は約4割、通学は約5割。

 会見で佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「LRTは利便性や快適性、交流や活力という多くの恵みを与える役割を担う。持続的に発展する礎を築き、地方創生の全国モデル都市を実現したい」とあいさつ。大関一雄(おおぜきかずお)町長は「人の行き来が増えることで活気があふれるなど、まちづくりに大きな効果があると確信している」と話した。

 LRT事業は市長選で大きな争点となったほか、2度の開業延期を余儀なくされ、脱線事故も発生した。佐藤市長は「さまざまな困難があったが、いろんな人に心配、指導してもらい、大きく緻密で豊かな事業に育った」と振り返った。

 路線は同駅東口から芳賀町下高根沢の芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロ。両市町が施設を整備し、宇都宮ライトレールが運行する。18年6月に着工。総事業費684億円。

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