菖蒲湯まつり熱気戻る 山代、4年ぶり一般参加

威勢よく湯の街を練る若衆=加賀市山代温泉

  ●200人みこし引き回す

 加賀市の山代、片山津、山中の3温泉郷で4日、無病息災を祈願する「菖蒲湯(しょうぶ)ゆ)まつり」が行われた。山代温泉の湯の曲輪(がわ)周辺では、青年団員ら約200人がショウブの入った俵を載せた「菖蒲みこし」を威勢よく引き回し、一帯は爽やかな香りと熱気に包まれた。4年ぶりにみこしの担ぎ手に一般の住民も加わり、湯の街に初夏の訪れを告げる伝統の祭礼は本来の姿を取り戻した。

 市内最大規模の山代温泉菖蒲湯まつりは、真言宗薬王院温泉寺で祈願祭が営まれた後、山代青年会員や住民がみこしを担いで温泉街に繰り出した。参加者は「わっしょい、わっしょい」と掛け声を上げて俵を引きずるように進み、ショウブの香りで邪気を払った。

 フィナーレの入湯式では、みこしを担いだ若衆が湯の曲輪を勢いよく周回して古総湯になだれ込み、湯船に俵やショウブを豪快に投げ入れると、盛り上がりは最高潮に達した。

 新型コロナの法的な位置付けが5類に移行したことを受けて、今年は例年通りの開催に戻り、お練りと入湯式の参加人数の制限も撤廃された。

 日中は地元の保育園「やくおうえん」の園児や山代中生が鼓隊、バンド演奏を繰り広げ、まつりに花を添えた。湯の曲輪―山代東口交差点間で、タイの三輪タクシー「トゥクトゥク」が運行された。

 最終日の5日は地元児童による「代(しろ)っ子みこし」が4年ぶりに復活し、温泉街を練り歩く。山代音頭の輪踊りも実施する。

  ●片山津、山中も祈願 

 片山津温泉では、住民が真言宗愛染寺に集まって無病息災を祈った。砂走公園あいあい広場ではショウブの束で肩をたたく「菖蒲たたき」が行われた。

 山中温泉では、長谷部神社で春季例祭「菖蒲湯祭」が営まれた。山下裕嗣宮司が祝詞を奏上し、参列者にショウブを配った。

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