第75回長崎県高総体・第2日 29競技 陸上で県高校新記録

【陸上男子100メートル決勝】トップでゴールに飛び込み雄たけびを上げる中川(佐世保西)=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 第75回長崎県高校総合体育大会第2日は4日、県内各地で29競技が行われ、陸上男子100メートルは中川穂泉(佐世保西)が10秒36の県高校新で1位、植松康太(長崎南)も10秒42の県高校タイで2位に入った。女子100メートルは榎並彩(純心女)が12秒12の大会タイでトップゴールした。
 団体は16競技で優勝校が決まった。剣道男子は島原が決勝で長崎南山を代表戦の末に退けてV2を達成。ソフトテニスの男子は大村工が初、女子は長崎商が12年ぶりの栄冠をつかんだ。
 テニスの女子は長崎東が14年ぶりにV奪回。男子は海星が24連覇を果たした。相撲は諫早農がV27、バドミントンの男子は瓊浦がV8、女子は諫早商がV12、サッカー女子は鎮西学院がV12、レスリングは島原工がV2を飾った。
 登山の長崎北陽台は5大会連続、卓球の鎮西学院と重量挙げの諫早農は3年連続、空手組手の瓊浦と体操の創成館は2年連続で男女優勝。ボートも大村が男女とも優勝旗を手にした。
 個人は陸上勢のほか、女子エアライフル立射の宮川莉子(長崎北)が決勝で244.6点の県高校新をマークして優勝した。
 第3日は5日、県内各地で14競技を実施する。

◎陸上男子100メートル 中川(佐世保西)が9年ぶりの県高校記録

 5分前に行われた女子100メートル決勝で大会タイ記録が生まれ、さらなる好記録への期待がスタジアムを包んでいた。
 陸上男子100メートル決勝。歴史が変わる瞬間に立ち会おうと、観衆は固唾(かたず)をのんで勝負の時を待った。持ちタイム10秒46の中川(佐世保西)は7レーン、10秒49の植松(長崎南)は二つ内側の5レーンに入った。視線が2人に集中する。
 静寂を切り裂くように号砲が鳴った。直後、7レーンから中川が秀逸な飛び出しを見せる。もともとスタートダッシュは得意だが、この日は「反応も体の運びも今までで一番」。30メートルを待たずに大きく抜け出すと、ライバルの姿を一度も視界に捉えることなく駆け抜けた。
 電光掲示板は10秒37で止まり、その後10秒36へ改められた。9年ぶりとなる県高校記録の誕生。「みんなに出して帰ってくると宣言していた。やってやった」。ゴール後は何度もこぶしを突き上げて余韻に浸った。
 後半追い上げた植松も従来の県高校記録に並ぶ10秒42をマーク。「きょうは見事に飛び出された。ただ、自分も試合のたびに記録が良くなっている」と敗れてなお飛躍への手応えを得ていた。
 中川の記録は全国でも3本の指に入り、植松も十分ファイナリストを狙える好タイムだ。昨年、インターハイ入賞がなかった陸上勢。その分まで、今年は花形種目で挽回を期す。

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