兵庫県淡路市内で誕生し、3日夕から姿が見えなくなっていた国特別天然記念物コウノトリのひな1羽が5日、巣の周辺で見つかった。午前9時半ごろ、写真愛好家らが鉄塔に立っているのを確認した。市職員らから状況を聞いた県立コウノトリの郷公園(豊岡市)は巣立ちと判断した。
2年前、淡路市内で巣作りが始まった時から撮影を続けている同市大町の写真愛好家、山本喜一さん(80)は、ひなが巣から約1キロ離れた鉄塔の上に親鳥とともにいる姿を撮影した。
写真仲間から「ひながいる」と報告を受け、現地に駆けつけた。山本さんは「最初、ひなは親2羽に挟まれて立っていた。親は何度か鉄塔と近くの電柱を行ったり来たりしていて、飛び方を教えているような感じだった」と説明。ひなは正午前に、鉄塔から再び飛び立っていったという。
山本さんは「行方を心配していた。無事に見つかってほっとした。これからは元気に空を飛び回ってほしい」と話していた。(中村有沙)