福部真子「集中しすぎて…」世界への扉で明暗分ける 陸上日本選手権 広島県勢 髙山・真野・池崎

陸上、日本一を決める日本選手権が行われ、8月の世界陸上や来年のパリオリンピックを目指す広島ゆかりの選手たちが出場しました。

第107回 日本選手権 大阪・ヤンマースタジアム長居 3日

大阪で開催された陸上の日本選手権。女子100mハードルでは、決勝に出場した5人が、ことしに入り、12秒台を記録する歴代最速のレースとなりました。

その中でも唯一、世界陸上の参加標準記録を突破しているのが、府中町出身の 福部真子 。3位以内に入れば、8月の世界陸上の代表に内定します。

プレッシャーから本来の走りができなかったと振り返る福部。レースは4人が横一線でゴール。福部は3位と0.03秒差の4位となり、この大会での世界陸上出場を決めることができませんでした。

100mハードル日本記録保持者 福部真子 選手
「集中し過ぎて、今までにない緊張感だったので、出し切れなかった。またパリ五輪に向けてしっかりやっていけたらと思います」

男子110mハードル決勝に出場したのは、広島市出身の 髙山峻野 。髙山も世界陸上の参加標準記録を突破していて、3位以内に入れば、世界陸上が内定するレースとなりました。

スタートを意識して臨んだ髙山は、「前半はいい形で走れたけど、後半は自分のレースができなかった」と振り返る走りでしたが、ライバルの泉谷が、今シーズン、世界2位となる日本新記録を出す中、2位でゴール。8月の世界陸上出場を内定させました。

2023世界陸上 内定 髙山峻野 選手
「世界のトップ選手は、泉谷くんくらい強い選手がいっぱいいるので、そういう選手と走って、競り合って自分を高めて行きたい」

男子走り高跳びに出場したのは、広島市出身の 真野友博 。去年の世界陸上で日本人初の入賞を果たした真野でしたが、今シーズンは調子が上がらず、苦しんでいます。

この日の記録は、2m25の3位。世界と戦えるまで状態を上げて、パリオリンピック参加標準記録の2m33を目指します。

2022世界陸上オレゴン大会 8位入賞 真野友博 選手
「まずは世界陸上で去年以上の記録を残すことを目標にして、来年のパリオリンピックの標準記録を突破していけたらなと思います」

女子800mで輝きを放ったのは、大竹市出身のダイソー・池崎愛里 。「ラスト勝負になるとスピードで負けてしまうと思ったので250mくらいで心を決めて出た」と冷静なレースプランを組んだ池崎。自己ベストを更新する2分03秒08で悲願の初優勝。広島陸上界のニューヒロインが、アジア大会とアジア選手権の代表に近づきました。

女子800m優勝 池崎愛里 選手
「練習どおり走ることができて、練習をがんばってよかったなと思います。アジア大会に出場して偉大な記録に近づきたい」

― 高山峻野は、世界陸上出場が内定しました。真野と池崎は、アジア選手権やアジア大会で上位に入り、ワールドランキングを上げて世界陸上出場を狙います。福部は、3位以内に入れなかったので、ほかの選手の結果によって世界陸上の出場が決まります。

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