【リニア問題】難波市長が県に改めて反論 山梨県側での「ボーリング調査」めぐり「県の見解には課題がある」

リニア新幹線の工事をめぐる山梨県側での「ボーリング調査」について、6日、静岡市の難波市長は「県の見解には課題がある」と話し、改めて県に反論した。

山梨県側で進むリニア新幹線の「ボーリング調査」をめぐっては、静岡県は「静岡側の水が流れ出る可能性がある」として、JR東海に対し、県境まで300メートル以内の区間を掘り進めないよう求めている。これに対し、静岡市の難波市長は、5月の会見で「ボーリング調査は県境まで行っても問題ない」として、県の要請には「賛同できない」と見解を示していた。この難波市長の発言を受けて、川勝知事は「難波市長は県の理事を辞めて半年以上経つ」などとけん制した。

(川勝知事)

「難波市長が理事を辞めて半年以上になる」「資料も市長選があって十分に届けられていない」「科学的・工学的に議論しているということだけは説明したい」

これに対し静岡市の難波市長は、6日の会見で、森副知事から資料の提供があったことを明かした上で、「県の見解には課題がある」との認識を改めて示した。

(静岡市 難波市長)

「森副知事から県の算定根拠資料と論文をいくつか渡された」「すぐにそれを読んで県の見解について課題があると改めて確認した、私の考え方とは違うところがある」

また、7日に予定されている県の専門部会への出席を要望したものの、県から断られたことを明かした。

(難波市長)

「県の専門部会はあくまでJRと専門家、委員の中でやってる会議なので、私が出るのはふさわしくないというような(県の)考えのように伺った」「わかりにくい話をわからないまま、なんとなく理解していこうとする状況になっている」「わかりやすさのところを説明したいと申し出をした」

会見の後、土木工学に詳しい難波市長は、個人的な見解として、「ボーリング調査によって、水の湧き出る現象について」大根やペットボトルを用いて説明し、県の専門部会の議論に疑問を呈した。

(難波市長)

「ボーリング抗は断面積が小さいので、(水を)引っ張るといっても大した量ではない、断層破砕帯のように水が供給されない場合はほとんど問題にならない」「いま議論が同じ土俵の上で対応されているようには思わないので、境界面で水を引っ張るか引っ張らないのか議論してるはずなのに、上からの湧水量と混同して計算してるので、ここは科学的工学的根拠に問題があるのではという問題提起」

JR東海によると山梨側のボーリング調査は、6月2日時点で県境から459メートルの地点まで進んでいて、7日の県の専門部会でどのような議論が行われるのか注目される。

© 株式会社静岡第一テレビ