遊水地のヨシで舟作り 小山高専OBが児童へ指導

完成したヨシ舟を水に浮かべる児童

 【小山】市民団体「ラムサール湿地ネットわたらせ」は4日、下生井のコウノトリ交流館でミニヨシ舟作りを体験するワークショップを開催した。渡良瀬遊水地の生き物や植物を子どもたちに学んでもらう「渡良瀬子ども自然塾」の活動の一環で、市内と栃木市の小学生11人が参加した。

◇ほかにも写真館に写真

 3月に茨城県行方市の霞ケ浦で開かれた「葦(よし)舟世界大会」の技能部門で優勝した、横浜国立大3年長岡稜太(ながおかりょうた)さん(23)と同大大学院2年武部大夢(たけべひろむ)さん(23)が講師を務めた。2人は小山高専を卒業後、市内や横浜市で空き家改修を通じたまちづくりなど多様なプロジェクトを進めている。

 児童は長岡さんらの指導を受けながら、遊水地に自生するヨシ20本ほどを麻ひもなどで束ねて全長30センチ前後の舟を2、3個ずつ作った。完成した舟は7月に開催する「思川の流しびな」で願いを込め流す予定。

 小山城東小5年大熊日向子(おおくまひなこ)さん(10)は「ヨシで舟を作るのが初めてだったので楽しかった。糸で巻く作業は難しかった」と頬を緩めた。長岡さんは「みんな予想外の形の舟ができていて教える方も興味深かった。ものづくりに少しでも関心を持ってくれたのはうれしい」と話した。

 長岡さんは3日にも、交流館近くの下生井堤防を訪れ、一般廃棄物収集運搬業者の社員や市地域おこし協力隊員、地元住民ら約50人と共に清掃作業に参加。下生井地区に関するクイズを出題して、交流を深めた。

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