家族3人の連携プレーで女性保護 関根さん一家に感謝状 宇都宮中央署

本澤署長(左端)から感謝状を受け取った関根芳明さん(左から2人目)、江梨亜さん(同3人目)、祐子さんの一家

 【宇都宮】行方不明だった女性の発見に協力したとして、宇都宮中央署はこのほど、横山3丁目、会社員関根芳明(せきねよしあき)さん(50)と妻の祐子(ゆうこ)さん(53)、長女で高校生の江梨亜(えりあ)さん(17)の家族に感謝状を贈った。一家の機転と連携プレーが女性の発見と保護につながった。

 関根さんは4月7日早朝、自宅のリビングの窓から外を歩く女性の姿に目が留まった。片足だけ履いた水色のサンダル、オレンジ色のパーカ。歩く様子が気になった。

 その話を聞いた祐子さんはピンときた。前夜、携帯電話で受信した「ルリちゃん安全メール」。情報提供を求めた行方不明者の特徴と、夫が見かけた女性がよく似ていた。芳明さんは車で女性を探しに出かけた。

 自宅周辺を回ったが、見つからない。一度帰宅し、2度目の捜索でも見つからず。「絶対にその人だよ」。祐子さんに促され、三度目の正直で再度出かけた。すると自宅近くを歩く女性を発見。「大丈夫ですか」。声をかけて車に乗せ、自宅に連れて帰った。

 女性は足を擦りむくけがをしていた。江梨亜さんが風呂場で汚れを落とし、けがを手当てした。警戒心を解くため、飼っている猫を見せながら会話を続けた。祐子さんはおにぎりを二つ握り、食べさせた。女性が落ち着くのを見計らい、芳明さんが通報した。

 行方不明者の保護は江梨亜さんにとって初めての経験だった。感謝状を受け取り「今後、もし同じような人がいたら自分から助けたい」と話した。

 本澤成忠(ほんざわなるただ)署長は「メールを真摯(しんし)に受け止めて、素晴らしい連携プレーで保護してくれた。本当にありがたく心強い」と感謝した。

© 株式会社下野新聞社