広島発の流通大手 イズミ こだわりの “自社ブランド” 展開に注力

広島発の流通大手「イズミ」が、自社製造ブランドの展開にこだわりをみせています。その狙いとは? 商品開発の現場を取材しました。

メンチカツや韓国風キンパなど、色とりどりのお総菜が並びます。先月から新たにイズミグループの自社製造ブランド「zehi」のラインナップに加わった商品です。

zehiは、去年4月にスタート。ブランドの名前には、「このまちの台所」として地域のお客さんに喜んでもらいたい、ぜひ食べてもらいたいという思いを込めています。

イズミは、4月20日からの5日間、広島電鉄の全路線の中づり広告を「zehi」と、去年9月にスタートしたオリジナルの衣料品ブランド「SHUCA」で一色にしました。

イズミ 販売促進課 國府愛香 担当マネージャー
「zehiなんですけれども、定番になるというのが1個のキーワードになりますので、お客さまのそばにあるよっていうことが、zehiで伝わったらいいなと思います」

今、広島発の大手流通がオリジナルのブランドへのこだわりを見せています。そのイズミが、売り上げが好調だというzehiを今年度、さらにリニューアルすることを決めました。

イズミ デリカ本部 阿部睦夫 本部長
「新しいテーマで4つの切り口ということで、新しいお客さまに対してチャレンジをしていこうということで」

▽最上級クラスの商品を集めた「プレミアム」、▽期間限定の「シーズン」、▽健康志向の人向けの「バランス」、▽今、話題の商品を扱う「トレンド」の4つのテーマに沿って新商品を作り出していきます。

zehiの新商品は、社内の審査をクリアする必要があるといいます。その審査会にカメラが入りました。

イズミ 商品開発者
「冷めてもおいしいごはんとむすびとなるようなものを使用しております」

商品開発者が値段やターゲット、こだわりのポイントを説明したあと、審査員として参加した社員が一品ずつ試食をして、コメントを記入します。

試食会では、募集した一般の客も審査に参加します。

参加した客たち
「レーズンのパンの重量にびっくりしました。レーズン好きなので、これだけ入っているパンを食べたことがなかったので、発売されたら買いたいです」

「わたしはメンチカツと、韓国風キンパ巻きが特においしかったなと思うんですが、そのほか、ちょっとシビアな意見とかも書かせてもらいました」

イズミによりますと、コロナ禍で消費者の志向はより本格志向に―。zehiの展開を始めたのには、直接、産地より原料を購入するなど、企画・製造・販売の全行程を自社で行い、品質や味の安定化を図ろうという狙いがあります。

今回初めて試食会に参加したという一般客は…

「(zehiを)知っていたのは知っていたんですけど、どういうコンセプトでやってるかなどあんまりよく知らなかったので、きょうはそういうことで、そういう商品を作られているんだなっていうのがわかって、よかった」

こうして販売が決まった商品は、zehi商品としてシールが貼られ、店頭に陳列されます。

イズミ デリカ本部 惣菜部 小江尚久 部長
「新しいお客さんに弊社の総菜を買っていただいて、食べて満足していただけるか、そこが最終目的」

広島発のイズミが力を入れる独自ブランド展開―。広島県内のみならず、広い範囲で展開する流通大手の動きだけに、業界へ大きなインパクトとなりそうです。

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