先週、静岡市清水区の小学校に特定外来生物に指定されているカミツキガメが侵入し、捕獲された。専門家によると、今回捕獲されたカメは、ペットとして飼育されていた可能性があるという。
「ガブッ!」
強じんなアゴでかみついてきたのは、どう猛な性格の「カミツキガメ」。ひとたびかみつくと、キュウリも簡単にかみ砕くカミツキガメが、先日、ある場所に姿を現した。
(勝俣宜彦 記者)
「発見されたカミツキガメは、あちらの歩道から学校に侵入したという事です」
静岡市によると、6月4日、清水区の清水袖師小学校の裏門付近からカミツキガメが校内に侵入したとして警察に捕獲された。捕獲されたカミツキガメは、甲羅の長さが約20cm、体重は約2キロで、専門家によると、野生ではなく、飼育されていた可能性が高いという。
捕獲したカメを調査したのが、「爬虫類ハンター」として有名な静岡大学の加藤英明准教授。加藤准教授はカミツキガメが静岡市内で繁殖していないかを調べるため、長年、静岡市の麻機遊水地で捕獲調査を行っている。
(静岡大学 加藤英明 准教授)
「(小学校の)周辺には、カミツキガメが生息できるような環境は無いので、誰かが飼育していたものが逃げ出して、小学校に入った可能性が高い」
アメリカ大陸などに生息し、繁殖力が非常に強いカミツキガメだが、2005年に特定外来生物に指定され、飼育・運搬・野外に放つことが原則禁止されている。しかし、以前は、ペットショップなどで簡単に購入することが出来たため、爆発的に繁殖したのではないかと加藤准教授は推測している。
(静岡大学 加藤英明 准教授)
「安ければ2000円、小学生が小遣いで買ってバケツで飼っていた生き物」「誰でも自由に飼えたため、野外に逃げたり、捨てられたりすることで、それが今も残っている物がかなりいると思う」
今回、捕獲されたカミツキガメは人の手で飼育されのではないかと推測している加藤准教授だが、その根拠は“甲羅”にあると言う。
(静岡大学 加藤英明 准教授)
「甲羅の形状ですね、飼育されている個体は、甲羅がなめらかに成長しなくて、甲羅の表面がボコボコしたりする」「今の時期か一か月後が一番目撃しやすい、増水したら出てきたり、メスは産卵のため上陸する」「6~7月が産卵のシーズンで、1年で一番遭遇する確率が高い時期」
静岡市は、カミツキガメを見つけた場合はすぐに通報してほしいと呼びかけている。