敦賀高校が定期考査を廃止…テスト勉強より普段の頑張り重視 生徒も先生も変える改革とは

 福井県立敦賀高校は本年度から、全学科で期末考査などの定期考査を廃止した。生徒に「定期考査のための勉強」を強いるより、普段の頑張りを支援し、自律自走する生徒を育てたい考え。先生に質問をしやすくしようと、空き教室を「面談室」として開放するなどの改革にも取り組んでいる。

 生徒の到達度の確認は、単元テストやパフォーマンス課題、授業での取り組みなどで評価する。ルーブリック(評価ツール)の作成は絶対ではなく、評価規準は示すなど各教科ごとの判断となっている。また初見の問題による総合テストは年2回実施するという。

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 校務を見直し、担任以外の先生は職員室にいるように変更した。先生同士の情報共有がスムーズになるほか、生徒も職員室に来れば先生と話ができるようにし、対話時間を増やす。相談や指導を受けたい先生に、生徒がアポイントをとり、自主的に話を聞ける制度も設けた。

 また「リフレッシュ週間」として、部活動を控える週間を各部が年6回設けている。校則も生徒らの考えで変更した。

 山本泰弘校長はこれらの取り組みを「生徒に自己調整力、自律自走する力をつけるため」と説明する。到達度に達しない場合は再テストしている教科もあるとした上で、「評価は生徒の学びを応援するためにあるべきもの。ダメだと生徒に言うのではなく、こうしたらCがBになると後押しする指導を、と先生には伝えてある」と話す。

 「定期考査のためのテスト勉強では、自己調整力や学び続ける力もつかない。生徒が変われば先生も変わる。先生が変われば生徒も変わる。学校が変わっていく」とし、「生徒を縛るのではなく生徒に伴走する体制を整え、学びを支援していきたい」と話している。

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