高額のお金が当選したと偽って手数料を振り込ませる詐欺被害を防いだとして、兵庫県警宍粟署は5日、同県宍粟市内の下三方郵便局局長の山根正弘さん(54)=同県姫路市=と、同郵便局員の三木ひろみさん(62)=宍粟市=に署長感謝状を贈った。
同署などによると、山根さんと三木さんは5月16日、市内の60代女性からATMの操作方法を聞かれた。女性によると「高額当選した」とのメールがあり、やりとりをする中で、金を受け取るため手数料を振り込むよう指示されたという。
詐欺だと直感した2人は振り込まないよう伝えたが、女性はなかなか聞き入れず、説得は約20分に及んだ。これ以上の対応が難しいと感じたため110番し、駆けつけた警察官に引き継いだ。署によると、女性は手数料8千円を振り込めば、498万円を受け取れると信じていたという。
山根さんは「説得する大変さや110番するタイミングが難しかったが、被害を防げたのは良かった。次に同じようなことがあった場合に役立つ経験だった」と振り返った。(村上晃宏)