離島留学「満足」95~65% 長崎県内3市5高校アンケート 授業、食事の改善求める声も

 長崎県教委は8日の定例教育委員会で、県の離島留学制度について、実施している対馬、壱岐、五島3市の県立5高校の関係者にアンケートした結果を報告した。
 県教委は、壱岐高に留学した県外生徒が行方不明となり死亡した事案も踏まえ、有識者らと同制度の課題を考える「これからの離島留学検討委員会」を4月に設置。3市に設置した各検討部会がアンケートを実施した。留学生143人、保護者117人、下宿先の里親20人、教職員161人が回答した。
 「高校生活(学びの内容)にとても(ほぼ)満足している」と答えた生徒は対馬76%、壱岐80%、五島95%、五島南65%、奈留95%。不満な点(自由記述)として「今の授業スピードだと大学に受からない」「中学の範囲を学び直せると期待していたが、生徒たちが理解していないまま授業が進んでしまう」といった声が挙がった。
 「里親宅や寮での生活にとても(ほぼ)満足している」とした生徒は対馬81%、壱岐90%、五島50%、五島南85%、奈留100%だった。食事の量や質に対する不満が目立ったほか「(里親が)暴言を吐く」との回答もあった。
 生徒からは「相談しやすい環境」、保護者からは、里親の支援や研修を求める声が寄せられた。里親は、保護者や教職員との連絡体制の充実、受け入れ体制の支援を多数が要望した。
 検討部会と検討委でアンケート結果を分析し、課題や解決策を議論する。

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