スマスイの旧公式サイトが偽サイトに 「海の動物に会える」とうたう場所はとんでもないところだった

神戸市立須磨海浜水族園の偽サイト(画像の一部を加工しています)

 5月末に閉園した神戸市立須磨海浜水族園の旧公式サイトが、偽サイトとして悪用されていることが分かった。権利を放棄された旧サイトのドメイン(インターネット上の住所)を使い、オンラインカジノサイトに誘導する仕組みになっている。市は注意を呼びかけ、使わなくなったドメイン管理のルール化も検討する。

 市によると、旧サイトは同園の指定管理者が2020年3月まで運営していたが、現在の管理者に交代すると使われなくなった。旧サイトのドメインは手放され、同年9月ごろ、それを取得した何者かが偽サイトを開設したとみられる。

 偽サイトでは、同園で飼育されていないシャチの写真が掲載され、「オンラインカジノでも、海の動物たちに会うことができます」などとカジノサイトへ誘導する仕組みとなっている。

 ドメインは海外の非営利法人が管理し、各国にある民間事業者を通じて登録、使用できる。元の所有者が登録を取り消せば、第三者が同じ文字列を登録できるという。

 市は「指定管理者が代わる際のサイトに関するルールがなかった」と釈明。同様のケースは全国で相次ぎ、大阪市や秋田県大館市では旧ドメインがアダルトサイトに転用されていた。

 兵庫県は、使わなくなった旧ドメインを少なくとも1年以上保有するなどの対策を取っているという。(井沢泰斗)

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