石炭輸送船「松風丸」シップ・オブ・ザ・イヤー2022 受賞 大島造船所建造

「シップ・オブ・ザ・イヤー2022」を受賞した松風丸(大島造船所提供)

 大島造船所(西海市、平賀英一社長)が建造したウインドチャレンジャー(硬翼帆)搭載の石炭輸送船「松風(しょうふう)丸」が、国内で造られた特に優秀な船舶などに贈られる「シップ・オブ・ザ・イヤー2022」を受賞した。同社建造船の受賞はバッテリー駆動船「E/V e-Oshima」に続き3年ぶり、3度目。
 同賞は日本船舶海洋工学会(東京)が主催し、33回目。2022年に国内で造られた船舶などが対象で8隻の応募があり、技術力やデザイン、社会貢献度の高さなどで選考した。
 松風丸は、ばら積み大型貨物船で全長231メートル、幅43メートル。昨年10月完成。商船三井が保有、運航し、東北電力の専用船として主に豪州やインドネシア、北米からの石炭輸送に使われている。
 硬翼帆は繊維強化プラスチック(FRP)製で伸縮・回転し風力を推進力に変える。産学共同プロジェクトとして研究が始まり、18年以降は同造船所と商船三井を中心に開発を進めた。船首付近に世界で初めて搭載。従来の輸送船に比べ5~8%ほど温室効果ガスの排出を抑制できるという。
 大島造船所は「受賞を機に船舶の省エネ技術開発や液化天然ガス(LNG)、アンモニアといった次世代燃料船の開発をさらに加速させ、海上物流の脱炭素化・環境負荷の低減に貢献したい」とコメントした。


© 株式会社長崎新聞社