目指せ、国の重文指定 山形・旧山形師範学校講堂、保存活用実行委が設立

現在は使われていない旧山形師範学校講堂=山形市緑町2丁目

 山形市緑町2丁目にある旧山形師範学校講堂(県指定有形文化財)について、国の重要文化財指定を目指そうと県内の建築、文化財保護の関係者、地域住民などが連携を強めている。保存活用実行委員会が設立され、今後は講堂の歴史を詳しく調べ、利活用の検討、関係機関への働きかけなどを行っていく。

 講堂は旧山形師範学校本館(現在は県立博物館の教育資料館)とともに山形北高に隣接している。同高が管理しているが、老朽化により、現在は使われていない。本館は既に国の重文に指定されており、本館との一体性を保つ視点から、講堂も国の重文指定を目指すべきだとの声が関係者から挙がっていた。

 実行委は2日に設立され、会長に結城章夫富沢学園理事長が就いた。県観光物産協会、山形商工会議所のほか、県内建築関係者、県文化財保護協会、地元町内会、県退職校長会、山形大地域教育文化学部同窓会などから約20人が出席した。重文指定のほかに、周辺も含めたまちづくりプランの作成、県民の意識高揚などを目指していく。

 副会長の一人の渋谷光夫山形大地域教育文化学部同窓会長は「大きな壁、高いハードルだが、県民の熱い心を集結して実現を目指したい」と述べた。

 講堂は本館と同時期の1900~01(明治33~34)年ごろの建物とみられる。15年ほど前までは山形北高の部活動などで使われていた。

旧山形師範学校の講堂の利活用について議論した保存活用実行委員会=山形市東部公民館

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