栃木県誕生150年 県庁周辺の催しに6万人 地域への思い新たに

本県の魅力を発表する県子ども観光大使の児童たち=10日午後、宇都宮市本町

 15日の「県民の日」を控える週末となった10日、県誕生150年を記念するイベントが県内各地で行われ、多くの県民が地域への思いを新たにした。県の主催行事では若者が古里の魅力や理想像を発信し、本県特産のイチゴ模様に覆われた列車もお披露目された。

 県庁周辺で行われた県民の日イベントには、約6万人(県発表)が来場した。

 セレモニーで福田富一(ふくだとみかず)知事は「県民の記憶に残る1年にしたい。150年を機に栃木に思いを寄せ、未来に誇れる栃木づくりに県民一丸で取り組みたい」などとあいさつし、本県出身のお笑いコンビのU字工事と一緒に、若者に県の将来像を描いてもらう目玉事業「若者未来デザイン事業」のキックオフを宣言した。

 U字工事は県の魅力を発信する県子ども観光大使の児童5人とも対談。児童が名所や名物を流ちょうに紹介すると、益子卓郎(ましこたくろう)さんと福田薫(ふくだかおる)さんは「栃木の未来は明るい。頼もしい」と声をそろえ、「俺らの小さい頃だったら脚がガクガク震えて『俺はいいよ、おめえやれよ』と譲り合っていた」と自虐で客席を笑わせた。

 奥日光で24、25日に開催される先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合の紹介もあり、5月の関連行事「子ども未来サミット」に参加した中高生が成果としてまとめた「宣言書」を発表。性差解消への行動を来場者に求めた。高校生の合唱やバンド演奏も会場を盛り上げた。

 観光資源や活動をPRする200以上の団体のブースが並び、新型コロナウイルス感染対策の緩和によって4年ぶりとなった飲食ブースも人気を集めた。

 約10年前に埼玉県から小山市内に移住した会社員石綿裕一郎(いしわたゆういちろう)さん(38)は家族5人で参加。「初めて来たが、想像以上に盛大で驚いた。栃木は安全で住みやすい。永住しようと思っている」と地元への思いを新たにしていた。

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