使用済み核燃料をフランスへ搬出、関西電力社長「中間貯蔵と同等、福井県との約束果たした」 知事と面談、理解求める

使用済み核燃料をフランスに搬出する案について杉本知事(手前)に説明する関西電力の森社長(中央)=6月12日、福井県庁

 関西電力の森望社長は6月12日、福井県庁で杉本達治知事と面談し、高浜原発で保管する使用済みプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料と使用済み核燃料の一部を2020年代後半にフランスに搬出する計画を示した。電気事業連合会(電事連)がフランスで行う実証研究の一環。関電は県内原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外計画地点を年末までに県に提示するとしており、森社長は「県外に搬出されるという意味で中間貯蔵と同等の意義があり、県との約束はひとまず果たされた」との認識を示し、県に理解を求めた。

 杉本知事は「中間貯蔵と同等の意義があるとか、計画地点確定が達成されたという考え方は、これまで私どもが申し上げてきた内容に沿ったものかどうか、十分精査させてもらう」と述べ、今後国の考え方や立地市町、県会の意見などを聞いた上で判断するとの考えを示した。判断時期については明言を避けた。

 関電は中間貯蔵施設の県外計画地点提示に関して、これまで自ら設定した期限を2度延期し、23年末までに確定させると約束していた。一時、青森県むつ市の中間貯蔵施設を電力各社で共同利用する案も浮上したが、国内での計画地点提示は困難な情勢となっていた。

© 株式会社福井新聞社