バーガー店や駐車場整備 足利・渡良瀬川の本町緑地 来年4月営業開始へ

本町緑地に整備される施設のイメージ

 【足利】渡良瀬川河川敷にある本町緑地(栄町2丁目など)の利活用を巡り、市は12日までに、施設整備と運営を行う事業者として「関綜エンジニアリング」など3社の法人グループを選定する方針を決めた。国が新たに造成した堤防部分に飲食店や駐車場などを整備するほか、森高千里(もりたかちさと)さんの名曲「渡良瀬橋」の歌碑を近隣地から敷地内へ移設する計画。今月中に基本協定を締結し、11月に着工、来年4月の営業開始を目指す。

 渡良瀬川河川敷はスポーツなどで市民らに広く利用されているものの、観光客やサイクリストなどが滞在できる施設は少ない。夕日などの景観が美しく誘客も期待できることから、市はにぎわいの創出や地域活性化策として、緑地の利活用を模索してきた。

 国土交通省と協議を重ね、従来地方自治体などに限られていた河川敷の占有を民間にも認める「河川空間のオープン化」制度の導入を県内で初めて決定。公募設置管理制度(パークPFI)に基づき、民間事業者を公募していた。

 市は3月末に選定委員会で審査し、「関綜エンジニアリング」(南町)、「大協建設」(東砂原後町)、「キョクトウ」(宇都宮市京町)で構成する法人グループ「コネクトわたらせ」を選定した。

 事業地は、国が補強して造成した堤防上のオープンスペース約2800平方メートル。高級ハンバーガーショップや産直市場、トイレなどを併設する平屋(約550平方メートル)を建設するほか、サイクルツーリズムの拠点としての環境整備や、「渡良瀬橋」の歌碑の移設などを計画している。整備費は約1億5千万円を見込んでいるという。年間使用料として、市に約292万円を支払う予定。一方、これとは別に、市は周辺の管理道路などの整備費として約6千万円の費用を見込む。

 市街地整備課の堀越一洋(ほりこしかずひろ)課長は「交流人口の増加や利用者の利便性向上を図り、市の発展につながる施設にしたい」としている。

飲食店などが整備される予定の本町緑地(渡良瀬河川事務所撮影)

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