父の日商戦が本格化 外出増や健康意識の品ぞろえ 「宅飲み」を充実させる商品も

「お父さんありがとう」と記した焼酎が並ぶ売り場=長崎市、浜屋百貨店

 父の日(18日)のギフト商戦が本格化している。長崎県内各店は外出機会の増加や健康志向の高まりなど“アフターコロナ”を意識した品ぞろえでアピール。定番の酒類は新型コロナウイルス禍で増えた「宅飲み」を充実させる商品が並ぶ。
 アミュプラザ長崎(長崎市尾上町)内の衣料品店「グローバルワーク」は、暑い夏を快適に過ごせるとの触れ込みで4千円台のシャツやパンツを展開。触れたときに冷たく感じる「接触冷感」や汗を素早く吸収し快適に保つ「吸水速乾」などの機能性を重視して選ぶ人が多いという。コロナ禍では仕事と兼用できるデザインが売れていたが、今年は開襟シャツなどカジュアルな物がトレンド。笠松大棋店長は「外食やイベント参加など休日の外出機会が多くなったからでは」と推測する。
 同じアミュ長崎内のハンズ長崎店は、健康管理や運動に適したデジタルグッズを展開。心拍数や歩数も計測できる「スマートウオッチ」コーナーに3千~1万5千円台をそろえた。スタッフは「50~60歳代の父親の健康を考えて贈る人が多い。高価格帯でもプレゼント需要は高い」。耳をふさがず音が聞こえる「骨伝導イヤホン」(1万1880円~)も運動時に薦める。
 浜屋百貨店(同市浜町)は「自宅でゆっくり父親との時間を楽しんで」と地下の酒類売り場を強化。「お父さんありがとう」とボトルに記した焼酎が並ぶ。担当者は「3千~5千円の物が人気。自分で買うには少し高い物を贈る傾向」。宅飲み需要を受けて6階には、簡単に炭酸水を作れる装置「ソーダストリーム」のコーナーを設けた。同階担当者は「ハイボールなど炭酸で割るお酒を自宅で楽しんで」としている。
 「モノ」ではなく体験型の「コト」を売り出す店も。リラクセーションサロン「けんこう屋さん」(同市西山3丁目)は、父の日に合わせてギフトチケットのPRを強化。小顔フェイシャル(3千円)や指圧(2400円~)などのコースを指定したり、千円単位で金額を決めたりして購入できる。中でも、全身の筋膜の凝りをほぐす筋膜リリース療法によるオイルトリートメント(5400円~)が人気という。店主の窪田美礼(くぼたみのり)さんは「仕事で疲れ気味のお父さんにどうぞ」とPRした。

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