驚きは続く

 ベーブ・ルースとの“比較論”にそろそろ決着を付けてしまいそうだ。「ルースは100マイルの速球なんて投げていないし、100マイルの投手と対戦したこともない」-米国人記者のこんなコメントはその一例だろう。100マイルは約161キロ▲大谷翔平選手の好調が続いている。本塁打の量産が始まった。節目の今季20号はリーグ一番乗りで、3年連続20本塁打は日本人の打者で初めて。昨日まで10試合連続でヒットを放っていて、6月の打率は4割を超えている▲盗塁も既に2桁。打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」達成の期待が膨らむ。打撃の好調で書くのが後回しになったが、投げる方でも現在5勝、奪三振102は多い方から2番目▲今季のメジャーリーグでは、投球間隔の厳格な時間制限など新たなルールが幾つか導入され、極端な守備シフトの禁止や走者に対する牽制球の規制などは好成績の追い風になっているとの分析もある。それにしても▲オールスター戦のファン投票でもトップを快走している。一番見たい選手、いつまでも見ていたい選手▲彼が“規格外”なことは皆とっくに知っている。だから少しぐらいの活躍には驚く必要などないはずなのに、まだまだ誰もが驚かされ続けている。驚くしかない。ああ、ちょっと分かりにくい。(智)

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