福井県越前市ゆかりの紫式部が主人公となる来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」にちなんだ商品が続々と誕生している。市内外の事業者が、キャラクターやロゴマークをあしらったグッズ、土産品などの販売を開始。式部が生涯で唯一、都を離れて暮らした福井県、越前市を「ご当地」としてアピールする動きが広がっている。
越前市や福井県観光連盟は昨年度、大河ドラマをPRにつなげるため、式部ら平安時代の偉人のキャラクター5体と、「しきぶきぶん」をキャッチコピーとするロゴマークを制作。5月末までにキャラクターは17件、ロゴマークは16件の使用申請があり、商品やチラシなどの広報物への活用は計30件に達した。
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市役所で6月8日にお披露目会が開かれ、8事業者の商品が発表された。マツダプラスチック(鯖江市)はキャラクターの組み立て式フィギュアやキーホルダーを開発。北陸電算サービス(越前市)は、カプセル玩具販売機の商品に式部のしおりやマグネットを加えた。
しおとこめ(同)は坂口地区の無農薬米と塩で作る手焼きせんべい、新珠製菓(同)は県産米を使った羽二重餅のパッケージにそれぞれキャラクターを使用し、式部とともに地元の食を発信。来春には北陸新幹線越前たけふ駅開業も控えており、担当者は「わくわくを感じながら、どう福井が変わっていくのかを楽しみにしたい」と話した。
大河ドラマの訴求力を反映し、県外からの参画も。菓子機械メーカーのオカダ(石川県小松市)はまんじゅうやクッキーの包装にロゴを入れ、「同じ新幹線沿線のまちとなる越前市が盛り上がってくれれば」と期待を表した。
ロゴマークは市、キャラクターは県観光連盟が使用申請を受け付けており、無料で活用できる。同連盟は2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」でもキャラクターを制作しているが、受け付け開始後約4カ月の同時期で比較すると今回は約4倍の申請数となっているという。