解散総選挙は延びたけれども…岸田総理のおひざ元 自公関係の行方は

「広島におきましては、平口洋先生を中心に自公しっかりスクラムを組んで、がんばっていく」―。先月30日の自民党・平口洋 衆院議員(広島2区)の政治資金パーティの場で声を張り上げたのは、公明党の 斉藤鉄夫 国土交通大臣です。

折りしも次期衆院選に向けた東京選挙区の候補者調整をめぐり、自民党と公明党の関係がギクシャクしている中での一幕でした。

あいさつに立った斉藤国交大臣は、自身を前回選挙から広島3区の与党統一候補だと紹介。「自民党広島県連会長の平口さんは、わたしの親分」だと表現して親密ぶりをアピールしました。

自民党関係者の中には、あまりのアプローチの強さに戸惑う声もありました。実は、公明党は早々と1月に斉藤国交大臣を10増10減に伴う新3区の公認候補者と発表。自民党との協議が整わないままの発表に、自民党広島県連関係者からは「ルール違反だ」と不満の声が上がっています。

斉藤国交大臣にしてみれば、このまま統一候補として決着したとしても、自民党から気持ちよく応援してもらうために気配りが求められるというわけです。

斉藤国交大臣は、10日、庄原市で開催された自民党・小島敏文 衆院議員(比例中国)の国政報告会にも初めて参加しました。

コロナ感染したためリモートでの参加となりましたが、もともとは会場を訪問する予定でした。

「一緒にできるとはねえ、うれしいかぎりですよ」と顔をほころばせたのは、新5区の支部長に就任した小島衆院議員。

「自公の連立の絆はそう簡単には崩れないだろう。新5区においては連携してやっていきたい」―。これまで小選挙区で勝てていない小島議員にとって公明票への期待は大きいものがあります。

斉藤国交大臣にとっても、自民党支持者にアピールする絶好の機会でした。

広島3区について自民党広島県連の 中本隆志 会長代理は、石橋林太郎 衆院議員(比例中国)を支部長とするよう党本部に求め続けています。しかし、党本部から色よい返事はないまま…。

当の石橋衆院議員は、「政党として支部長を置かないのはおかしい。まずは地域のまとめ役である支部長にしてほしい。与党統一の公認候補をどうするかはその後に調整すればよい」と憤りを示しています。

前回も小選挙区を斉藤国交大臣に譲る形となった自民党広島県連。県内の自民党関係者からは不満の声が渦巻きますが、事態が好転する兆しは見えません。

「うまく着地させる」―。今月6日、広島の自公関係について報道陣に話した 中本隆志 会長代理。

どんな着地となるのか。岸田総理は、15日夜、今国会での解散はしない考えを表明しましたが、いずれ決着を迫られる問題です。

※ 広島3区からは日本維新の会・瀬木寛親 氏、広島5区からは立憲民主党・佐藤公治 衆院議員が立候補を予定

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