新型コロナが5類に移行して1か月経ちますが、全国でも感染者がじわじわと増えつつあります。全国における定点医療機関あたりの感染者数ですが、この1か月間で2.5倍に増えています。こうした中、「第9波」に入る恐れがあるとして静岡県内でも懸念の声が上がっています。
<医師>
「解熱剤はある?おうちに」
<親>
「もうないです」
<医師>
「じゃあ頓服と咳のお薬と」
浜松市の小児科、チルドレンクリニックです。クリニックでは最近、新型コロナ関連の診察数は横ばいになっているものの、完全に安心できる状況ではないと言います。
<チルドレンクリニック 辻 徹院長>
「一定の数はいるし、検査してエッと思う人がコロナ陽性という人も中にはいますし、親御さんもびっくりして帰っていく人も中にはいます」
いまはこれまでの波の傾向を踏まえ、全国の動向を注視しています。
<チルドレンクリニック 辻徹院長>
「8波の時もそうでしたけれど、沖縄だとか都内で増えた後、しばらくしてから浜松もガッときたので。ここ1、2か月くらいで増えてくるのか来ないのか。影響出てくるかどうかといったところで」
県内の定点医療機関あたりの感染者のグラフを見ると、5月1日からの1週間で感染者数は1.26人でしたが、直近の1週間の感染者は3.6人と倍以上に増加しています。
また、直近1週間の感染状況をエリア別にみると、定点医療機関あたりの感染者数は、西部が2.26人、中部が2.14人であるのに対し、東部は6.08人と「東部エリア」での感染者の増加が目立ちます。
裾野市では小学校の1クラスで、新型コロナの陽性者が複数人確認されたため、6月16日まで学級閉鎖に。さらに中学校の1クラスでも感染者が確認されたため、16日に学級閉鎖にするとしています。
一方で、県の専門家は急激な増加につながる兆候は見られないとして、過度に恐れる必要はないといいます。
<静岡県感染症管理センター長 後藤幹生さん>
「139の定点医療機関からの報告人数とそこから推定される県全体で何人が一週間で感染しているかを報告していますけど、最近は一週間で3000人ぐらい。1日当たりは400人台。第8波のピークの時には1日9000人ということもあった。だいぶ少ない」