CO2ゼロへ共同計画を公表 長崎・長与・時津 連携中枢都市圏

長崎市が長与、時津両町と共同で策定する「地球温暖化対策実行計画」の素案を示した会合=同市役所

 長崎市は15日、2050年の二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロを目指し、西彼長与、時津両町と共同で策定する「地球温暖化対策実行計画」の素案を公表した。自治体が共同で計画を作る動きは県内初。電気自動車(EV)の公用車を増やすことや、公共施設での再生可能エネルギーの利用促進などを検討している。
 長崎広域連携中枢都市圏を形成する3市町は21年、CO2排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を同時に宣言。長崎と時津は既に市町ごとの計画を策定しており、今回の素案は市の計画を基にした。
 素案は温室効果ガス排出量の削減目標を設定。07年度の排出量(3市町で計259万6千トン)と比べ30年度に43%削減。50年度には80%減らし、残り20%はCO2吸収などを通じて実質ゼロにする。3市町では家庭や事業所からの排出割合が全国より高く、民間を巻き込んだ対策が必要という。
 目標達成に向け、3市町が連携する内容は検討中。具体的には公用車にEVなどを導入し、3市町内で自家用車の利用を抑えるためカーシェアリングを推進。長崎市が出資する新電力会社「ながさきサステナエナジー」の再エネを長与、時津両町の公共施設に供給できないか調査している。3市町内の小中学生への環境教育なども進める考え。
 素案は15日に市役所で開かれた「市地球温暖化対策実行計画協議会」の会合で公表。3市町は7月にかけて素案へのパブリックコメントを募り、9月にも計画を完成させる。

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