広島県内で初めて生まれた国の特別天然記念物コウノトリのヒナに、個体を識別するための足環がつけられました。
米田健太郎 記者
「広島・世羅町です。これからヒナが巣から降ろされ、足環が取り付けられます」
足環が取り付けられるのは、5月4日に生まれたとみられているコウノトリのヒナ3羽です。
16日の作業では、まず親鳥がいない間に高さ12メートルの巣から高所作業車を使ってヒナを捕獲しました。足環は、コウノトリが「いつ」「どこで」生まれたかなどを確認するためのものです。
親鳥は、巣にヒナがいないことで異変を察知して巣の周辺を動き回っていましたが、足環を取り付ける作業が終わってヒナが巣に戻ると、親鳥も巣に戻ってきました。巣に戻ってきた親鳥は、くちばしで大きな音を出していました。
これは、「クラッタリング」という行動で、コウノトリは鳴かないことから、くちばしを使って音を出すことによって愛情から威嚇までさまざまな感情を表現するということです。親鳥は、戻ってきたヒナをねぎらっていたのかもしれません。
近くに住む人
「世羅の地を選んでくれたことがうれしい。ずっといるかはわからないが、また帰ってきて、子どもを生んでくれたらうれしい」
兵庫県立コウノトリの郷公園 吉沢拓祥 飼育員
「この3羽については広島県初ということもあるので、順調に巣立ちして、いろんなところに飛んでいくパターンもあるが、また戻ってきて、ペアになることもあるので、世羅町のみなさんに温かい目で見ていただいて、今後、増えていく地域になっていくのかなと思う」
ヒナは順調に育っているということで、近く巣立っていく見込みということです。