栃農、栃工、栃商統合へ 小山は中高一貫 3期県立高再編計画案 

栃木県教委が入居する合同庁舎

 急激な少子化などに対応するため、栃木県教委が策定する第3期県立高校再編計画案に、栃木農業と栃木工業、栃木商業の3校の統合が盛り込まれる方針であることが16日、複数の関係者への取材で分かった。今市と今市工業、日光明峰の3校などの統合案も上がっており、県内全域で職業系専門校の統合を進める方針。小山は中高一貫校にする方向で検討している。再編は2029年度までの実施を目指す。県教委は7月上旬に県教育委員会定例会の決定を経て再編計画案を公表し、11月上旬の策定を予定している。

 計画案にはこのほか、鹿沼南と鹿沼商工の2校、真岡北陵と真岡工業の2校、那須拓陽と那須清峰の2校の統合も盛り込まれる見通し。他校の統合案も示される可能性がある。

 宇都宮清陵は昼夜間の定時制と通信制を持つ単位制の「フレックス・ハイスクール」とする方針。

 第3期計画は期間を24~35年度とし、24~29年度を前期、30~35年度を後期に分類。来月示す統合案などは、すべて前期中の実施を目指すとみられる。

 県教委によると、23年度の県内の中学校卒業者は約1万7600人。35年度には約1万2600人となる見通しで、この間に募集学級は81程度減らす必要があるという。第1期(05~14年度)、2期(18~22年度)の再編計画を経て、県内に68あった全日制県立高は58まで減少した。

 阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長は9日の県議会代表質問で、「切磋琢磨(せっさたくま)の機会の確保や教育の質の維持向上を図るため、引き続き適正な学校規模の確保に努める」とさらなる統合の可能性に言及。

 一方、工業や商業など複数の学科を持つ職業系専門校については「専門分野の枠を超えた幅広い視野を持って主体的に取り組む力を備えた人材を育成する」として、充実させる考えを示していた。

 「1学年4~8学級」という県教委が定めた適正規模に満たない県立高を統合せず、特例として残す「小規模特例校」制度は、今後も維持する方針。現在、特例校は統合案に含まれる見込みの日光明峰以外に3校ある。

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