つまみ絵 色合いと繊細さ見て 91歳瀧本さんが初個展 長崎・川棚で7月30日まで

「南蛮人来朝之図」をモチーフにした作品と瀧本さん=川棚町下組郷

 薄い絹の布を折ったり貼り合わせたりして、立体感のある植物や動物などに仕上げる伝統手芸の「つまみ絵」。磐城流の師範、瀧本富子さん(91)=長崎県東彼東彼杵町=の初個展が同川棚町の昭和館隣のギャラリーで開かれている。7月30日まで(水曜-日曜の午後1時~4時)。無料。
 つまみ絵は着物の端切れを使い、髪飾りなどを作った平安時代の布細工が起源とされる。瀧本さんは長崎市出身。51年前に同市の教室に通い始めた。
 ピンセットで絹を1枚ずつ重ね、花びらや鳥の羽を形作るつまみ絵は根気と集中力、時間も必要。「若いころだから熱中してできた。色合いと絹の繊細さを見てほしい」と話す。
 個展会場には長崎歴史文化博物館の「南蛮人来朝之図」をモチーフにした80センチ四方の大作のほか、2千枚以上の絹を貼り合わせたクジャクや、長崎くんちの太鼓山(コッコデショ)など約60点が並ぶ。
 35年ほど前に東彼杵町に移住してきた瀧本さんは町文化協会の活動やボランティアにも精を出した。今でも月に数回、高齢者向けの弁当調理や、子ども食堂の運営を手伝う。つまみ絵の小物をこしらえ友人に贈ることも。「まだまだ現役。みんなとおしゃべりして、楽しく過ごすのが元気の秘訣(ひけつ)」と笑顔を浮かべた。

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