「障害は授かり物」 長崎県車いすバスケ協会・川崎会長講演 長崎市人権教育研究会が総会

聴衆に義足を見せながら語りかける川崎さん(右から2人目)=長崎市、長崎ブリックホール

 長崎市人権教育研究会(馬場務会長)は15日、長崎ブリックホール(茂里町)で第49回総会を開いた。長崎県車いすバスケットボール協会の川崎寿洋会長(61)=長崎市在住=が「差別の中にある比較」をテーマに講演し、事故で障害を負ってからの経験と出会いを振り返り「障害は授かり物」と語った。
 川崎さんは22歳の時にバイク事故で右足を失った。「人生が終わった」と絶望の中にいたが、車いすバスケと出会い、「長崎サンライズ」のメンバーとして活動した。現在、長崎県内を中心に講演している。
 同人権教育研究会は部落差別をはじめとする全ての差別問題の解消に向けて毎年総会を開催し、対面では4年ぶり。市教職員ら約160人が出席した。
 川崎会長は義足をあらわにして、来場者の前を走ったり歩いたりしながら語りかけた。「障害がもたらしたデメリットよりも、多くの人と出会う機会となったメリットの方がはるかに多い」と出会い支えられた人たちに感謝の気持ちを表し、「自分とは違う相手の人間性や個性を尊重してほしい」と呼びかけた。
 市立大浦小の教員、山口遥さん(31)は「人間は見慣れていないものに対して差別をしがち。川崎さんのように普通に対して疑問を持ち続けたい」と感想を話した。

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