パリ五輪種目ブレイキン  プロダンスチーム「ARIYA」 宇都宮にスタジオ開設へ

今夏から宇都宮市を拠点に活動するプロダンスチーム「ARIYA」。前列左から2人目が青木さん

 国内外で活躍するプロダンスチーム「ARIYA(アリヤ)」が今夏、宇都宮市東宿郷5丁目にスタジオを開設し、活動の拠点を同市に移す。来夏のパリ五輪で正式種目に採用され注目が集まるブレイキン(ブレイクダンス)に特化したチームで、開設後はアカデミーを開講するなどして県内での普及、振興にも取り組む。チーム唯一の本県出身者で「RAIGO」こと青木頼吾(あおきらいご)さん(39)=宇都宮市出身=は「競技の発展のために若い世代を育て、盛り上げていきたい」と意欲を見せている。

 ARIYAは2009年に発足。青木さんは15年に加入した。少数精鋭で国内屈指の実力を誇り、17年には世界三大大会の一つ「UK B-BOY チャンピオンシップワールドファイナル」(英国)で4強入りした。現在は高校生から社会人まで13人が所属する。

 これまで特定の拠点を置かず練習は都内や埼玉県などでスタジオを借りながら行ってきた。ただ「使いたい時に空いていないことが多く、料金の負担も大きい」など、練習する上でさまざまな制約があったという。

 新スタジオは9月にオープンする予定。青木さんを知る県内企業が練習場問題解決へスポンサーに加わり、夢が大きく動き始めた。

 自らの技を磨ける環境を整えた後に見据えるのは、県内での競技振興だ。県ダンススポーツ連盟ブレイクダンス部の部長も務める青木さんは「地元でブレイクダンスを盛り上げたい思いが昔からあった。未来のオリンピアンを輩出できれば」と意気込む。近年、国内でも人気が高まっているブレイクダンス。競技人口は五輪種目に採用されたことで増えており、さらなる機運醸成へ使命感を燃やす。

 一方で、競技発展へのネックになるのが資金面。国外の大会に連盟から選手を送り出したくても、遠征費などを援助できない状況という。青木さんは「正直なところ僕たちの業界は資金力がない」と苦しい胸の内を明かし、「活動に賛同してくれてくれる方がいたらご協力いただけるとありがたい」と呼びかけている。

ブレイキンでパリ五輪を目指す岡田さん

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