「将来は広島で働いて」 子どもたちが仕事体験 “人口流出” が課題 地元企業がイベント

広島では、若い世代の人たちが進学や就職をきっかけに地元を離れてしまうことが課題になっています。将来、広島で働いてみませんか?と、地元の企業などが子どもたちが仕事を体験するイベントを開きました。

18日、広島市で開かれた「こどもみらい仕事体験イベント」です。

700人の応募の中から抽選で選ばれた200人の小学生は、広島銀行や中電工、世界的なボールメーカー・ミカサなど、10の団体が出店したブースの中から2つを選んで体験しました。

警察官の仕事を体験するコーナーです。

「犯人の目はきつねのような目ではなくて、眉毛が太くて、たれ目で一重でした」―。事件の犯人の情報を集めて似顔絵を作り、犯人を見つける捜査官の仕事を体験します。

参加した子ども
「目のところがすごく悩んだ。この目とこの目、どっちかなと思っていたけど、たぶん間違えたと思う」

建築家になるのが夢だという参加者も…

参加した子ども
「将来の夢で(警察官を)ちょっとだけやってみたいと思ってきた」

歯科医師会のブースでは、虫歯を削ったあとに詰め物をして固めるという本格的な体験が用意されました。白衣と専用のサングラスを身に着けて、いざ挑戦です。

参加した子ども
「(歯に)粘土を入れたりするところとか、歯をダイヤモンドで削ったりするところが楽しかった」

総務省の住民基本台帳人口移動報告によりますと、県の転出者数から転入者数を引いた「転出超過」は去年、9207人で、2年連続で全国で最大となっています。

中でも進学や就職をきっかけに広島を離れる若者が多いことから、小学生の子どもたちに地元で働くことに興味を持ってもらい、住み続けてもらおうとイベントが企画されました。

広島こどもみらい仕事体験イベント実行委員会 江川敦子 さん
「地元広島で働いてみたいなとか、こんな広島っていいところあるんだな、こんな企業あるんだなというところをみなさんに思っていただけたら」

マツダのブースでは、クルマのエンジン部品を作るのと同じ行程でキーホルダー作りにチャレンジです。接着剤の入った砂を押し固めたところに溶かしたすずを流し込むと、マツダのロゴマークの入ったキーホルダーが完成です。

参加した子ども
「楽しかった。焼いたりするところ。ランドセルにつけたい」

働いたあとにはお待ちかねの「お給料」を受け取ります。その「お金」でお菓子や文具の買い物も楽しみました。

参加した子ども
「なんかうれしい。大人になったみたいな感じ。小さいころにちゃんと(お金を)自分でもらったといううれしさが(大人になったら)もう1回、わかると思う」

実行委員会は今後、広島市以外でも開催を検討していきたいとしています。

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