6月19日午後、鹿児島県では線状降水帯の発生情報が発表されましたが、台風シーズンを前に、静岡県内でも不安の声が上がっています。6月2日の記録的豪雨で2度目の堤防の決壊を起こした静岡県磐田市の敷地川周辺の住民は、いまだ不自由な生活を強いられていました。
<床上浸水の被害を受けた 櫻田力さん>
「去年の9月はここ。今度はここだからさ。どっちにしろ床上」
敷地川の決壊した堤防から50mほど下流に位置する櫻田力さんの自宅。記録的豪雨から2週間以上が経ちましたが、床下には流れ込んだ土砂がありました。撤去作業はまだ終わらず、元の生活を取り戻すには時間がかかりそうです。
<床上浸水の被害を受けた 櫻田力さん>
「去年の9月で、また今回6月じゃあね、本当に…これで終わりにしてもらいたいね」
2022年9月の台風15号に続いて、2023年6月の記録的豪雨で2度にわたり、堤防が決壊した敷地川。敷地地区で床上14棟、床下13棟の計27棟が浸水被害を受けました。6月16日夜、静岡県が住民の代表を対象に開催した説明会では、不安や怒りの声が上がりました。
<住民>
「とにかく早くやってもらわないと、工事を。本格工事を」
「どうすればいいんですか、僕らは。原因ばっか言っても(発災した2日に静岡県は)対策を何もしてくれなかったんだから」
「同じような雨が降ると切れそうなところがあるのではないかと危惧をしてしまう。全力で対応していただきたいとお願いします」
県は台風15号の後につくられた仮の堤防より強固にする応急復旧工事を6月末ごろまでに完了したいと説明しました。
6月19日の掛川市内。トラックの荷台に積まれていたのは、国土交通省が保管するコンクリートブロックです。
<清水英之記者>
「コンクリートブロックの重さはおよそ2トン。川の底に沈められ、川底の土がさらわれないようにするのが最大の目的です」
ブロックが運ばれたのは、堤防が決壊した敷地川。川底がえぐられて決壊につながったことを受け、ブロックを川底に埋めていくということです。
<国土交通省 浜松河川国道事務所 田島健総括保全対策官>
「住民のみなさまが一日も早く安心できるよう早期の復旧につながれば」
浸水被害を受けた男性は。
<床上浸水の被害を受けた 櫻田力さん>
「安心は安心だけど、どのくらいの規模でやってくれるのか、まだはっきり聞いていない。やるからには万全を期してしっかりやってもらわないと安心できない」