6月18日に行われたUEFAネーションズリーグ決勝は、スペインがPK戦の末にクロアチアを破り、大会初制覇を達成した。この決勝で後半途中から出場したバルセロナ所属のFWアンス・ファティは、84分にゴール正面から惜しいシュートを放つなど存在感を示した。
FWニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)の負傷によって追加招集を受け、準決勝イタリア戦、決勝クロアチア戦ともに途中出場だったが、ラ・リーガの2022-23シーズン第37節マジョルカ戦で2ゴール、最終節セルタ戦で1ゴールを決めた好調ぶりをスペイン代表でも発揮した。
そして、ファティが好パフォーマンスを見せたことに、バルセロナのジョアン・ラポルタ会長は胸をなでおろしているという。
スペインのウェブメディア『ELGOLdigital.com』によると、バルセロナでのファティはケガの影響もあってシャビ監督から十分な信頼を得られているとは言えず、フランス代表FWウスマン・デンベレやブラジル代表MFラフィーニャの後塵を拝していた。
クラブの財政難がなかなか解消しないこともあり、ラポルタ会長は彼を売却して移籍金を得たいと考えていたが、シーズンを通じた活躍ができなかったこともあり、これまではバルセロナ側が望むような額を提示するクラブは現れなかった。
しかしネーションズリーグで活躍したことによって彼への注目度や評価は急上昇し、バルセロナが納得するようなオファーを準備するクラブが現れ始めているという。
ファティを売却した場合、シャビ監督はローン先のオサスナで印象的なパフォーマンスを見せたモロッコ代表FWアブデ・エザルズリの復帰、またはオランダ代表FWメンフィス・デパイを1月にアトレティコ・マドリードに譲渡した際に確保したベルギー代表MFヤニック・カラスコの優先獲得権(2000万ユーロ=約30億9880万円)の行使をクラブに求めるようだ。
なお、ファティ自身はネーションズリーグ優勝後にスペイン『マルカ』紙電子版のインタビューに応じ、「僕はバルサと契約を結んでいて、ここで成長することを望んでいる」と語っている。