【袴田事件】3回目の三者協議で日程調整 裁判所が9月以降に数回の打ち合わせ必要…再審開始日程に影響の可能性も

“袴田事件”のやり直し裁判に向けた、3回目の三者協議が静岡地裁で行われ、弁護団が会見を開いた。弁護団によると、裁判所が、これまで予定のなかった9月以降に、数回の打ち合わせが必要として日程調整が行われたということで、再審開始の日程に影響を及ぼす可能性もありそうだ。

(勝俣宜彦 記者)

「3回目の三者協議に向けて袴田さんの弁護団が静岡地裁へと入っていきます」

裁判所・検察・弁護団による三者協議は、静岡地裁で午後4時から始まり30分後に終了した。

1966年、旧清水市で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」では、袴田巌さんの死刑判決が確定しているが、東京高裁は2023年3月、弁護団の主張を認め再審=裁判のやり直しを決定した。現在は袴田さんのやり直し裁判の進め方などについて、裁判所・検察・弁護団の三者で話し合われていて、前回の三者協議で裁判所は、巌さんの出廷については「今のところ考えていない」と意向を示している。

6月20日の話し合いでは、実際に審理が進められる法廷に入り、現場の確認をしたほか、裁判所が証拠の整理をする上で事前に準備が必要であるとして、これまでに想定されていなかった9月に2回、10月に1回の打ち合わせを持ちたいとして、日程の調整などをしたという。

これまでの三者協議で弁護団は一貫して、早期の無罪判決を求め検察に対し「有罪を立証しないよう」求めているが、裁判所は7月10日までに弁護側と検察側に、冒頭陳述書の案を明らかにするように求めていて、7月10日に立証方針を明らかにする意向を示している。検察の対応が注目されている。

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