【ベトナム】ペンタブレットのワコム、越で生産強化[IT]

ペンタブレット大手のワコム(埼玉県加須市)はこのほど、ベトナム北部バクニン省に子会社を設立した。ベトナムでの生産体制を強化し、中国が中心だったサプライチェーン(供給網)の分散などを図る。

子会社の名称は「ワコム・ベトナム・サイエンス・アンド・テクノロジー」で、5月26日に設立された。バクニン市内に拠点があり、設立時の従業員は6人。資本金は59億1,550万ドン(約25万米ドル、3,600万円)で、ワコムが全額出資する。

同社は「ファブレス」と呼ばれる工場を持たない製造業で、従来は中国のサプライヤーを主要な委託先としていた。地政学リスクの高まりや、電子ペンの相手先ブランドによる生産(OEM)の供給先の要望を受けて、ベトナムでの生産体制を強化する。現地法人を通じて、サプライヤーの品質管理や新たなサプライヤーの開拓を進める。

ワコムは、クリエーターなど向けの自社ブランドによるペンタブレットで世界トップシェアを握り、OEMでも中国の聯想(レノボ)グループや米デル、韓国のサムスン電子などに向けてタブレットやスマートフォンに付属する電子ペンやペンの信号を処理する制御機器、センサーなどを提供している。

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