岩手県さけ・ます増殖協会(大井誠治会長)は19日、盛岡市内で通常総会を開き、秋サケの稚魚放流を7500万匹とする2023年度事業計画を承認した。記録的な不漁を受けて4億匹から大幅に下方修正した前年度と同じ目標とし、現実路線を維持した。引き続き県外からの種卵調達と大型で強い稚魚づくりを進め回帰率の向上を目指すが、状況は厳しい。
23年度の種卵確保目標は育成過程での減少を考慮し、22年度と同じ8500万個とした。22年度は5248万個を県内で確保したほか、北海道などから調達を進め最終的に9360万匹を放流した。23年度も県外からの移入を進め、8500万~9千万匹の放流につなげる想定。
定置網にかかったサケから採卵する海産親魚も活用するほか、回帰率の向上に向けては四つのふ化場を拠点化して、高い水温にも耐えられる大型で遊泳力のある稚魚の育成を進める。