台風被害の復旧工事が完了 山田・田の浜に排水設備や砂防ダム

砂防ダムを背に、防災意識を高める船越小の6年生

 2019年10月の台風19号豪雨で被災した山田町船越の田の浜地区(249世帯)で、町と岩手県による復旧工事が全て完了した。東日本大震災後に整備した堤防が土砂や雨水をせき止め、多くの住家が浸水するなど震災と台風で二重に被災した地区。機能を強化した排水設備や砂防ダム2基の完成を受け、住民らは防災意識をより高めた。

 田の浜コミュニティセンターで20日、復旧整備工事完成式が行われ、関係者ら約40人が出席。町や県が工事経過を報告した。船越小6年の佐々木結来(ゆら)さんが防災学習の学びを発表し、「完成して安心した。学んだ防災の知識を忘れないようにしたい」と決意した。

 町は約7億3千万円をかけ、水害を想定した排水施設の改良復旧などを進め、昨年3月に堤防中央部に開閉式の排水ゲートを設置。地区内を流れる女川の拡幅や護岸補強などの改修を3月末までに終えた。県は田ノ浜沢上流に土砂流出を止める砂防ダム2基を5月末に完成させた。事業費は約10億5千万円。

 

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