大間-函館フェリー、売上高7割増 2022年、赤字なお2億円超

 大間-函館フェリー航路の2022年の売上高は5億2291万円(前年比72.6%増)で、経常損失は2億903万円(同57.7%減)だったことが20日、青森県大間町への取材で分かった。いずれも新型コロナウイルス禍以前の水準に戻りつつある一方、燃料高騰や物価高の影響もあり、赤字が続いている。

 町によると、同航路の22年の有料旅客人員は6万4220人で、コロナ禍前の19年の9万3333人には及ばないものの、7割近くまで回復した。21年の3万9020人と比較すると、2万5200人(64.6%)増えた。

 22年の運航回数は1319回(前年比18回減)、乗用車輸送台数は2万7049台(同58.1%増)、バイクなどの特殊手荷物は4029台(同47.7%増)だった。町担当者は利用状況の改善について、「物価高などにより船の維持費は増えている。各年の社会情勢も異なるため、項目ごとの単純比較はできない」とした。

 同航路の「大函丸」は、町が建造して津軽海峡フェリーが指定管理者となる「公設民営方式」で運航。本年度で指定管理期間が終了する。野﨑尚文町長は取材に「函館への航路維持は町民にとって重要問題。今後も県や国に対する(航路維持の)要望を続ける」と述べた。

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