光合成計測機械、植物画像診断ロボット… 農業で進むDXとは!?リスク回避で生産も効率化

あらゆる分野で進められているDX・デジタル化。愛媛県西予市野村町では、農業での取り組みも進んでいて、現地では、5年前の西日本豪雨で被災した生産者の再出発を後押ししています。

農業での取り組みを紹介するセミナー参加者が向かったのは、ミニトマトを栽培する地元のビニールハウス。

生産者の熊谷琢磨さんです。

熊谷琢磨さん 「災害があってからこのトマトを作り出したということで、たった5年しかたっていなくて、毎年毎年失敗の連続です」

2018年7月。元々、シンビジウムを育てていた熊谷さんですが、西日本豪雨で被災しました。

熊谷琢磨さん(2018年・被災当時) 「これからまた苗を導入すると考えると、出荷にこぎつけるのにはさらに3年後になるので、シンビジウム自体は作ることはできないと思っています」

そこで、新たにミニトマト栽培への挑戦を始め、去年、県のプロジェクトの一環として、デジタル技術を導入しました。

熊谷琢磨さん 「5年目になって、こういうプロジェクトも助けてもらって、だいぶ収量も上がって売り上げも上がってき始めたので、ここからやっと復興前の自分の経営に戻ってきたのかなという感じです」

では、その技術とは…?

こちらは、光合成の速さなどを計る機械です。以前は、冬場に苗を育てていても大半が枯れてしまっていたということですが、この機械によって光の量が足りないことがわかり、改善できました。

さらに、高さ2m超の間に5個のカメラがついていて、人間の目では把握できない日々の成長や変化が確認できることで、収穫時期を把握できたり生育不良の場合でも早めの対処が可能になったりするということです。

熊谷琢磨さん 「新規就農者や新規参入者がデータを活用して、リスクの少ないトマト作りができるように活用しれもらえたらいいなと思っています」

西予市野村町では、熊谷さんの影響も受け、新たにトマトを作り始めた人もいるということで、デジタル技術が新たな就農や地域活性化にもつながるかもしれません。

© 株式会社あいテレビ