海自無人機シーガーディアン、来秋までに2千時間飛行 機体や運用拠点初公開 八戸基地(青森県)

海上自衛隊八戸航空基地に着陸後、報道機関に公開された大型無人航空機「シーガーディアン」(MQ-9B)=21日午後4時37分

 海上自衛隊は21日、八戸航空基地を拠点に5月9日から試験運用を始めた大型無人航空機「シーガーディアン」(MQ-9B)について、来年9月ごろまでに計約2千時間の飛行を予定していることを明らかにした。三つのフェーズ(段階)で試験運用を進め、有人機で実施している警戒監視などの任務の一部を無人機で代替できるか検証する。

 海自は21日、シーガーディアンを報道機関に初めて公開。全国の新聞社、放送局、出版社など16社から20人以上が集まり、基地内の第1格納庫に整備したオペレーションセンターも公開した。同日は試験運用の開始後で6回目となる飛行が行われ、午前9時ごろ同基地を出発した機体が午後4時17分に着陸した。

 フェーズ1(2023年4~6月)では機体・センサー性能の確認を、フェーズ2(同7~9月)では最適な情報収集要領の検証を実施。フェーズ3(23年10月~24年9月)では24時間近い長時間運用で模擬的な警戒監視を行い課題を検証する。機体は週2回程度の飛行を予定しており、1回の飛行時間は初期は約6~8時間、後半は24時間を計画している。

 海自第51航空隊(神奈川県)の担当者は「高性能という評価はできているが、どんな使い方ができるかを含め総合的に検証している状況」と語った。

 シーガーディアンは米ジェネラル・アトミクス社(GA)製の全長11.7メートル、全幅24メートルの無人プロペラ機で、カメラやレーダーを備える。海上保安庁が昨年10月19日、海自八戸航空基地を拠点に1機目の運用をスタート。現在は3機が同基地に配備され、海自はこのうち1機を運航している。

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